自己最速タイの149キロを記録した星稜の武内=金沢市民野球場
◆春季高校野球石川県大会▽決勝 星稜6-5日本航空石川(8日、石川県立)
決勝戦が行われ、星稜が6-5で日本航空石川を下し、春は4年ぶりの優勝を決めた。184センチ、84キロの大型捕手で、4番の近藤真亜久(3年)が、3安打3打点と活躍すれば、6-5の8回2死一、二塁のピンチで、最速149キロのエース右腕、武内涼太(3年)が緊急登板。肩が十分に作れていなかったと言うが、変化球を軸に打たせて取って1点のリードを守り切った。近藤は「昨秋の決勝で負けた日本航空石川にリベンジしたかった。春に優勝するのは最初から決めていました」と明るい表情で振り返った。
近藤は福岡県、武内は大分県出身で、中学時代は久留米東ボーイズでバッテリーを組んで一緒にプレーした。武内は「近藤がホームランを打てば、僕も打とうと競い合っていた。一緒に成長していく仲間でした」と振り返る。武内は星稜出身でヤクルト投手の奥川恭伸に、近藤は同捕手の内山壮真に憧れつつ、一緒に甲子園で全国優勝したいと星稜にそろって進学した。武内の速球を捕球するため、近藤は体中にあざを作りながらワンバウンド処理を練習してきた。武内は「ずっと一緒にプレーしてきて安心感があります」と信頼を寄せる。
学校の寮も同部屋で、野球のことをじっくりと話し合う。「今日だけは優勝を喜んで、明日からは気持ちを切り替えていきたい」と近藤。以心伝心の2人が、勝負の夏に向けて気を引き締める。